仙台関連の気になるトピックス

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仙台駅前・青葉通りの屋外広場化を検討へ

青葉通屋外広場化構想 仙台市長「駅前をわくわくする空間に」 整備の意義強調 - 河北新報(2020年1月15日)

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202001/20200115_11019.html

 郡和子仙台市長は14日、JR仙台駅西口の旧さくら野百貨店仙台店前の青葉通(青葉区)を通行止めにし、屋外広場を整備する市の構想に関し「仙台駅前は東北の玄関口。多くの皆さんが集まり、わくわくする空間であることが大切との思い」と意義を強調した。
 市は都心再構築プロジェクトの一環として、旧さくら野百貨店や向かい側のGSビル跡地などの再開発と連動を図り、青葉通の屋外広場化の実現を目指す。
 郡市長は「具体の話はまだまだ」としながら「杜の都は仙台のよく知られた都市個性。駅前は交流拠点として新たなにぎわいの創出を目指さなければならず、緑あふれる広場がすてきではないか」と説明した。
 都心再構築プロジェクトは2030年度までが期間。屋外広場化の時期に関し「できるだけ早めに、いろいろなことが見えてくればいい」と語り、30年度までの実現に期待を寄せた。
 「駅へのバスの乗り入れなど(実現するとなると)大きな影響が出てくる」と課題も指摘。新年度、本格的な交通調査に乗り出す方針を示し「交通関係者、利用者に丁寧に話をしながら進める。市民も意見を寄せてほしい」と呼び掛けた。

 

仙台市は、仙台駅西口前の青葉通りを屋外広場化することを検討することを発表しました。駅前メインストリートの事実上の「永続的な封鎖」は、劇薬的な部分もあり賛否両論あって当然かと思います。

個人的には「否定寄り」ですが、考えられることをまとめてみたいと思います。

 

○ メリット

賑わいの創出、周辺のビルや商業施設への好影響、駅前2街区の「面開発」の準強制

○ デメリット

交通渋滞の増長、およびその悪影響

 

メリットに関しては、前の2つに関しては言わずもがな、でしょう。

広場化(公園化)されることで人が集まるので、賑わいが生まれ、それゆえ周辺の建物にはプラスの効果が見込まれます。

が、より大きな「面」で見ると、片側3車線の主要道路をなくすことによって交通渋滞は確実に増長し、西口地区全体で見たときのマイナスの効果が大きいのも事実です。

青葉通りで捌いていた交通量を、ただでさえ交通量の多い広瀬通りと南町通りに分散できるわけもなく、失うものの方が大きいように思います。

X橋を架け替えて交通量を自ら増やしておきながら、これはさすがにまずいんじゃないの?というのが個人的な意見です。宮城県が推進する「仙台東道路」がもしも事業化したら、どうしようもなくなるでしょう。

ただでさえ、仙台駅に乗り入れるバス・タクシーのほぼすべてがこの3道路を使用して東西を走る現状、「替えの利かない道路」の1つを潰すのはいかがなものかと思います。今行っているバスターミナル整備事業が無駄になりかねないですし。

 

メリットの3つ目についてですが、敷地が道路に面する辺が、4つから3つに減るので、必然的に規模の大きな再開発に誘導できます。

さくら野跡地に関しては、街区丸ごとの再開発をせざる状況に強制的に追い込むことができますし、EDENに関しても現在青葉通りに面している側からモノを搬入することができなくなるので、より広い敷地での「使い勝手のよい」開発を模索せざるを得なくなるでしょう。

ただ、この2つの街区はもともと面での一帯再開発に意欲的なので、大きな意義があるかといわれると微妙なところではあります。

 

私は、駅前の広場化には大賛成。ですが、なぜ「道路を封鎖」してまで「地平階」でやろうとするのだろう…?というところが引っかかって仕方ありません。

仙台駅前の人の移動は、ご存知の通り主に2階部がメインです。ペデストリアンデッキとともに近年発展してきた街なのだから、広場も2階部でしょ?と思うのですが…。

駅前通りの上層部、北はパルコから南はエスパル本館まで、まるまる人工基盤で覆って屋外広場化させた方がよっぽど魅力的な都市づくりになるのではないかと思います。

工費は莫大ですし、相当な年数が必要。クリアしなくてはならない部分も多いのは当然ですが、経済的な損失は避けられるでしょう。

より駅寄りの場所を広場化でき、既存ペデストリアンデッキ以上の回遊性を生み、より大きな賑わいを創出ことができ、上下移動も無いし、地上交通量の処理能力を落とすことも無し。

個人的にはよっぽど魅力的に映りますが…。

 

何かを成し遂げるために犠牲はつきもの、というのはよく言われていることです。ですが、今行おうとしている構想に関しては、犠牲が大きすぎる気がしてなりません。

できる限り犠牲を払わない方法を最優先に、模索してもらいたいものです。